「本当だよー。ちょっと話しかけてみる?」

「う、うん」



そう言うと、桜子ちゃんは教室の窓から顔を出し、『真美ちゃーん』と呼んだ。



「あっ、桜子ちゃん。おはよう」



“ホッタマミ”は振り返ると、さっきと同じように笑った。


この子、笑うと目がキュッと細くなって、涙袋ができるんだ。



「おはよう。ほら、この子が真美ちゃん」



桜子ちゃんはそう私に紹介してくれた。



「あっ。堀田真美です」



そう言って“ホッタマミ”はぺこりと頭を下げた。