「あ、ちょっと待ってて」 佐藤は立ち上がり、カウンターの棚から小さめな紙袋を取り出すと、戻ってきてテーブルの上に乗せる。 「見てみて」 何だろ? 智子は恐る恐る紙袋の口を広げて中を見る。 「あっ!」 思わず声をあげて智子は紙袋から青い小さな布を取り出し、 「あ〜っ!」 と、続けて中から赤い布を取り出す。 「『さともり』〜っ」 青い布には白抜きで『さともり』の文字が浮いている。