次の日、二人はテーブルでノートと、草木染めのサンプルを広げて向かい合って座っている。

「やっぱり、物より、色じゃないですかね」

と、智子。

「色かぁ」

「前に中里さんたちが、他のお店で見たことないって言われてたじゃないですか?あの時は桜でしたよね」

「ああ、そうだったね」

「だから、希少価値のある色がいいんじゃないですか?」

「希少価値かぁ」

「そうなると、やっぱり桜なんですか?」