「ちょっとパニックです」

佐藤を見る智子の目は、赤く潤んでいる。

「…コーヒー、飲む?」

佐藤はまだコーヒーがたっぷり入っているマグカップを智子の方にズズズと寄せる。

「…いただきます」

ちょうど飲み頃のぬるさになっているコーヒーをゴクゴクと飲む。

「…ごちそうさまでした」

マグカップをズズズと佐藤の方へ押し戻す。

「落ち着いた?」

「…はい」