「ここの在庫もこれが最後です」

って、言ってみたりなんかして。嘘じゃないし。

「まあ、そうなの?じゃ、私、この桜のスカーフ、頂くわ」

よしっ。

「ありがとうございます。じゃ、お支払いの方は、今日の体験の料金と一緒にレジの方でお願いしても宜しいですか?その間に、先程染めてもらった作品がそろそろ乾いてる頃なので、持って来ますね」

佐藤はそう言い残すと、裏口から出て行く。