「あら、そうなの?」

「まぁ、この色、素敵ね。何で染めてあるのかしら?」

「これは、桜の枝を鉄の媒染液で染めた物ですね」

「あら、この落ち着いたピンクは桜なのね」

そこに佐藤がやってくる。

「桜の枝はなかなか手に入り難くて、量が染められないので、皆さんが行かれているお店にも、殆ど卸してないんですよ」

「そうよね、この色の物は見たことないような気がするわ」