「頑張って来て下さ〜い」

見送る智子の前を行きすぎる前に、最後尾の佐藤はチラっと、智子を見て、段違い眉毛にしてみせる。それに応えるように智子は気合いの入った顔で小さくガッツポーズを送る。

「フッ」

智子の顔を見て声なく笑いながら、佐藤も出て行く。

もう、笑うことないじゃん。気合い入れてあげたのに。でも、ま、後は佐藤さんに任せて、私はタイミング良く、コーヒーを出すことに集中しなきゃ。