次の日。いつもより1時間早く起きて朝食を済ませた佐藤と智子は何気にずっとソワソワしている。

「あと30分ですね」

時計は9時30分を指している。

「ああ」

「でも、絶対、15分は早く来られると思いますよ」

「え?そんなに?」

「マダムはそんなもんです」

「中身は乙女でも、社会的にはマダムだからな」

時計が9時45分を指した時、出入口のドアが開く。