『阿部のとこに行ったよ』


…やめろ。

俺が首を突っ込んで
いい訳がない。

そう思うのに、
頭ではわかってるのに、

気持ちと反対に口が開く。


「あのさっ、BBQの日…」

「ん?」


俺が、言っちゃいけない…


「阿部と………」

「……?」


なのに口が止まらない。


「何、話してたの?」

「え?」


次第に俺の心に黒い影が
一気に広がっていく。

仁科と阿部が
一緒に居るなんて…


─────嫌だと思った。