あたしは頭をブンブンと振って
廊下をつき進む。

階段を上がろうとしたその時、


「仁科?」

「?」


誰かに名前を呼ばれて
振り返ると、

中山くんが立っていた。


「あ、中山くん…おはよ」

「ん、おはよ」

「あれ、なんかいつもより早くない?」

「…ちょっと早く目が覚めたから」

「そうなんだ」


あたしと一緒だ…

なんて思いながら
並んで階段を上がる。


「ん?俺らが1番のり?」

「そうだよー。だから鍵取りに行ってたの」

「…ふーん」