「…何言ってんのか、わかんね」


そう言って
中山が通り過ぎようとした瞬間、

ガンッ


物凄い音がして。

中山が驚いて振り返った。



「そういうの、もういらねぇんだよ」

「………」

「お前いっつもそうだよな。明日香のことも、俺が何も知らねーとでも思ってんのか?!」

「!?」

「言えば良かっただろ。自分も明日香が気になってるって。コソコソと陰で動いてんなよ!」



息が乱れる。

でも、

これが本音だった。


幼なじみだと、
親友だと、

そう思ってたのに…


あの日、


『遥人と約束したの』


裏切られたって思った。