桜が舞う季節。

新しい教室で
あたしは目を見開いた。


「……仁科?」

「………うん」



あたし仁科香乃(にしなかの)は今、
人生で最大のピンチを迎えている。

な、なぜここに…

中山くんが居るの…



「…同じ高校だったんだ」

「…………ひ、久しぶりだね」

「んー、そうだな…」



今日は高校の入学式。

晴れて高校生になったものの、

教室に入った途端
あたしの席の前には


懐かしい人が居た。