「愚かだ…私は、なんと…
神々の最高神はすぐ近くにいたのに、気づかなかったとは…」
額に手をあて、己を恥じた。
気づかなかったのだ。
四神までもが自分についてきたことで、驕れてた。
自分は神以上の存在なのだ、と。
実際は、すべて近くにいた青龍の力でついてきていただけなのに。
意思までは操れないから、騙して、薬でおかしくして。
思い通りになる神たちに、己は神になったのだと錯覚した。
「ま、人間だしなあ…しょうがないだろ。
さあて、こっちの質問だ。
スズ…朱雀はどこだ?」
「そこの建物のなかだ」
なんの抵抗もなく答えた。
「だってよ、アカネ」
足を腹に乗っけながら、こちらを振り向いた。
“行くぞ!ゆーちゃん!”
「うん!」
急いで寺もどきに向かう。
靴のままお堂に入り、広がった突き抜けの部屋のまん中。
腕を白い縄で絞められた、ワンピース姿のスズが倒れていた。