「なに、その、かお」

目に映った谷原くんの顔はすごく真っ赤で、私の後ろの窓から差し込むオレンジの光を受けたから、なんて理由にならないほど真っ赤で、わたしはもしかして、なんて都合のいい期待を抱いてしまう。

私と目があった谷原くんは、さっと口元に手を当てて、顔を隠そうとする。

「あの、おれ、」

隠された口元から発せられる言葉はとても弱々しい。

「おれ、おれも」

すき

その言葉とともに顔を上げた谷原くんと目が合った。

胸が苦しい。今までで一番苦しい。心臓が破裂しそうだ。息がうまくできない。目も霞んで、谷原くんの顔がよく見えない。
どうして。どうしよう。

すごく、すごく、嬉しい。