それぞれ好き勝手に反応する4人をほって、私はキョロキョロして言った。


「ねぇ、亜蓮(アレン)は??」


裕紀がニコニコして言った。


「知らねー!!さっき出て行った!!トイレじゃね???」


……さっきとキャラ変わりすぎだよ裕紀。


まぁ、いっか。



私は教室を一旦出て、教室に1番近いトイレに向かう。


トイレの前に着くと、迷いなく男子トイレのドアを勢い良く開けた。


手を洗っていたクラスメイトがびっくりしたように私を見た。


それもそうだ。


男子トイレに堂々と女子が入ってくるんだから。


そんなの御構い無しに私は、そのクラスメイトに言った。


「ねぇ!!亜蓮は???」


クラスメイトは一瞬黙ってから、思い出したように言った。


「ナイト??それならいるよ」


ちょうどそう答えたときに、奥から黒髪を揺らして長身の男の子が出てきた。


名前は内藤亜蓮(ナイトウ アレン)。


黒の癖っ毛の髪に、白い肌。


細身の体に高すぎず低すぎない身長。


大きめの少しつったつり目。


そして、両耳に小さな青い石のついたピアスをしている。


誰が見てもかっこいいと思うほどの、イケメンが私の顔を見てキョトンとしている。