ぴぴぴぴ♫


「もう朝か…」


音が長時間鳴り響かないように、すぐに目覚ましの音を消す。


隣に寝ている彼女を起こさないように、そっとベッドから起き上がる。


「おはよう、麻美。」

毎日恒例の朝の挨拶。

これも、目を覚まさないように小さな声でそっと。


自分の起き上がったあとの枕の上に、小さな手帳を置いておく。


ちょうど胸ポケットくらいの大きさのノート。


ただのノート、いや、されどノート


このノートは僕と彼女にとって、絶対に、なくてはならないものだからね。