私は 慌てて お風呂に入り
学校に行く 寝坊した朝みたいに
急いで 支度した
髪の毛は 乾かしてクリップで 止めただけ
相変わらず 素っぴんの私
リビングでは
出張から 帰った父と そして母と
悠太の笑い声が 聞こえてた
支度を終えると
私は 自分の机の引き出しから
小さな紙袋を取り出して
自分のバッグの中に 入れた
階段を急ぎ足で かけ降りて
リビングにいる 父と母に
「悠ちゃんから 結婚指輪もらった」
そう言って私は 左手を見せた
「間違えちゃった 婚約指輪の予約の指輪」
そう言い直すと みんな大笑いして
「悠太 絶対 頼むぞ 手の掛かる嫁に
なりそうだけどな 」
そう言って 父と母は 笑ってた
幸せは こんな風に 笑えること
幸せは 大切な人が そこに
いて 隣で 一緒に 笑えること