「尚」

自分の部屋のベットに 横たわる私に
誰かが 耳元で 私の名前を呼んだ


しばらく 眠りについた私は

まだ 寝ぼけながら 寝返りを打つと



「尚 おはよ」

私の顔を 覗き込んで
悠太が にっこり笑っていた


「尚 左手 見てみて」

悠太は 私に言った

私は ベットから 起き上がって
自分の左手を見ると

私の左手の薬指に指輪が
見えた



その指輪は ダイヤが散りばめられて

悠太がくれた ネックレスとお揃いの
ピンクゴールドのきれいな指輪だった



「悠ちゃん !?」


聞き返す私に



「バイト代でしか買えないけど
働いたら ちゃんとした指輪買うから」

悠太は 真剣な顔で言った



「婚約指輪買えるまで それ 指輪予約指輪」


悠太は 自分の照れを隠すように
そう言って 笑い転げた