尚
悠太は そう呼んで
私の顔を見て 私の手をつないで
幼稚園の水道の前で 立ち止まった
尚が クリスマス会の日
公園の水道のところで
俺のこと
好きって 言ってくれたとき
俺 本当に嬉しくて
俺 子供だったけど
本当は 尚のこと すごく
抱きしめたかった
だけど 嫌われたくなくて
嫌われちゃうんじゃないかって
中学 入って
尚が どんどん大人になって
見る度に 触る度に
笑った顔も 照れる顔も
泣き顔も
全部 俺だけのものにしたくて
尚に 初めてキスした日から
もっともっと
俺 自分の気持ち 止められなくなって
もっともっと尚が欲しくて
嫌な思いさせたかもしれない
俺 我慢できなくなって
抱きたいって 口に出したとき
そのときの尚 すごく震えてて
俺に 怖くないよって
嘘ついたの わかってた
好きで好きで 本当に
どーしようもないくらい 尚が好きで