悠太の部屋 悠太のベッド



悠太は 何度も 尚

私の名前を呼んで

あなたの その優しい声で

尚 そう呼ばれる度に

あなたのことが愛しくて


でも 私は 悠太を まだ 悠って

呼べない

恥ずかしくて 言葉が出てこなかった


そして

愛しいものの

大切さを ひとつひとつ確かめるように


悠太は 私に触れていった




小さく震える私を見て悠太は聞いた


「尚 震えてる 怖い?」


小さい頃から 変わらない
私を心配そうに見るときの悠太の顔




「ううん こわくない」





うそ

本当は 怖かった

私 初めてだったから


でも 悠太なら


悠太にだけなら

そう 思った




悠太の 私の両手を握る その手も

すごく震えていたの


私には 分かった