『その少女の言うとおりだ。彼は嘘をついたが故に罰を受けた。』
周りが再びざわめきだす。
「ってことは山口のやつ、皆で協力しよー、とか言っといて嘘ついてたのかよー。学級委員長のくせに最低だな。」
「やめろ!!死んだやつの悪口をいうな!彼だって学級委員長としての責任に押しつぶされてしまっただけだ!」
「まあまあ、勇。今更いってもあいつの性格はなおらない。今は山口の冥福を祈ろう。」
「ああ、分かったよ。俺も血が上りすぎてたみたいだ、ありがとうな、乱歩。」
「まあ気にするなって」
「そうだよ勇くん、」
そういって、黒いセミロングの髪型を靡かせながらやってきたのは僕の彼女である、華原夏海だった。
彼女は頭もよく、性格もよく、友達も多い。顔もかなり可愛く男子の人気ランキングでは、二位になったほどだ。一つの弱点といえば、運動神経が尋常じゃなく悪いぐらいだ。
「勇くんは友達思いだからね。その気持ちも分かるよ、でもいまは我慢しよ。」
「ああ、ごめんな。」
「困った時はお互いさまだよ。」
そういって、夏海はわらってみせた。
こんなやりとりをしている間も放送は続いていた。
『また、外に出ようとした彼女(神田)はルール違反により、罰を受けた。』
「はぁ?ルールってなんだよ!」
『 1)嘘をついたものには罰を与える。これは永久に変わらない。 

2)命令を出された場合は、48時間以内に行え。行わなかった場合、罰を与える。
命令は放送によって行われる。

3)不可能だが、もし脱走した場合はどこにいても、罰を与える。

4)生き残れるのは1人であり、その生徒には最後の命令が下される。

5)このことを他人に口外した場合は罰を与える。
以上だ。』
「ふざけんなよ!誰だよこんなくだらないことを考えたのは!」
さっきから吠えているのは石井威彦である。彼は僕と真逆の性格で、残酷、気は強く、裕福であった。
神山さんがまた叫んだ。
「皆これは事実よ!信じられないかもしれないけど、事実なの!だからなるべく喋らないでもう私は誰かが死ぬのをみたくないの!!!」
そんな神山さんに賛成をする人も多かったが、生意気だ、と思っている人も少なくはなかった。
また、放送がながれる。皆の視線が、スピーカーに集められる。
『命令1。』
それは破滅の始まりだった。