「颯斗行こっ。
あっ、私ねーアイスも食べたいんだよねー。でもーーーーー……」
花奏が何かを話してるのはわかる。
でも、聞こえない…いや、聞こうとしてない。
前までの俺は……
花奏が話すことは、なにがあっても聞いてたのに。
今は頭が受け付けない。
なんでだ…?
どうしてなんだ…?
「颯斗?
もう聞いてるの?」
イラ。
…え?
俺、今…………。
「花奏……」
「んっ?なぁに?」
きょとんとしている顔。
前の俺なら、すっげぇ可愛いと思ってるはず。
でも…今の俺は。
「花奏、ごめん、詳しくは明日な?」
花奏を玄関に置き去りにして、正門に走ったーーーーー。