「えー、そういうことになっていて…………」
担任の話が長い。
そして、暑い。
早くしてくれないかなー。
7月に入り、もうそろそろ体育大会の季節。
今、私たちはグラウンドにしゃがんで説明を受けています。
暑い。
暑いわ。
どーにかなんないかな。
「……以上。
質問はあるか?」
そう思っていると、どうやら説明は終わったらしい。
よかった、もう教室に帰れる。
「なら、1人1人はちまきを貰ってから教室に帰れー。」
はーい!
というみんなの声が響いて、ざわざわと騒ぎ始める。
私の学校の体育大会は、クラス別対抗になっている。
私たちのクラスは赤組。
結果発表は学年別で、優勝のクラスには焼肉がおごられるという豪華賞品…らしい。
「風華、はい。
とっておいたよ。」
「ありがとー智花〜」
私、正直運動が苦手なのです。
100m走も20秒台という遅さ…。
「あー今年は不参加がいい!」
「ばか、無理だわ。」
わかってるもーん。
…………………私の視界の中には、いつも颯斗が映る。
いや、私が探してるだけかも…?
あのことがあってから、颯斗と私はなにも話してない。
一回も話してないかも。
颯斗が避けてる気がする…。