「おーい、座れぇー。」
扉が開いたと思うと同時に、担任の声が聞こえた。
え、もうHRの時間なのか。
やった、もう帰れる。
放課後はいつも、智花と一緒に帰っている。
でも今日は、寄り道してこってさっき話していた。
「なら、気をつけて帰るようにー。
さいなら〜。」
担任の気の抜けた声を聞いて、みんながガヤガヤと騒ぎ出す。
「ふーうかっ!
行こっ。」
「うん、行こ!!
まずー、私アイス食べたい。」
いいねーとか言い合って、教室を出た。
「あっ、風華いいところに。」
へっ?
呼ばれた気がして、後ろを振り向こうとすると、いきなり肩を取られ動けない状態になる。
「………はやと、だな?」
「正解。」