春休みになって、颯斗と連絡をとらないまま。
なんども通話ボタンを押そうとした。
でも、彼女は私じゃないから。
電話する理由なんてなにもない。
ただ私の願望だから。
"颯斗の声が聞きたい。"
わがままでしょう?
彼女がいるってわかってるのに。
それに、彼女にはかなわない。
可愛さだって、性格だって。
颯斗の幸せより、自分の幸せ願っちゃう人だもん、私は。
-------チュンチュン。
とうとう私は高校の入学式の日を迎えた。
「うっわ、ひろーい…。」
高校は中学より広くてデカくて。
人数だって多かった。
「おっす智花ー!」
ドキっ。
いつになったら、この胸はおさまるのかな。
「颯斗…。」
「クラス一緒だったぞ!
4年間、一緒だな!これからもよろしく」
えっ…!?
嘘でしょ?
クラス…一緒?
こんなの、偶然って思えますか?
決めたはずなのに
運命って思ってしまう。
ごめんね、颯斗。
こんなわがままな私で。