「颯斗くんはなんなの!?
花奏が大事なの!?
智花が大事なの!?
たらしに見えてもおかしくないよ!?」
私を叩こうとした子じゃなく、奥にいたもう1人の女子からだった。
「……花奏は彼女。
智花は、俺の大事な友達。
…………これじゃダメかよ。」
ドクンーーーーーーー。
颯斗がそう答えてから、3人は走り去った。
「ごめん………ごめん……」
私に向かって謝ってくれている。
『颯斗は何も悪くない』
『悪いのは、避け続けた私だよ』
『逆に助けてもらってばかり』
もっと、もっと言いたいことがあるのに。
だけど、颯斗の言葉に頷くことしかできない。
"智花は、俺の大事な友達。"
ずっと頭の中でリピートされている。
友達、大事な友達。
私にとってもったいない言葉なはずなのに、頭はちっとも喜んでない。
ーーーーーーどうして?
そんなの、すぐわかることだった。