「えっ……とも、か?」
「なに颯斗のこと勝手に言ってんの!?
颯斗のこと何も知らないくせに!
どんだけ花奏ちゃんのこと好きだと思ってるかわかる!?
わかんないでしょ!?
何も…っ、何も知らないくせに颯斗の悪口なんて言うんじゃねぇよ!!!」
ハァハァ。
言い終わると、息が切れていた。
かなり大声で怒鳴っていたらしい。
「…んだよ、智花こそ颯斗くんと何も関係ねぇだろ!?
ふざけんなよ!ウチらばっかに文句言ってんじゃねぇよ!?」
3人のうち1人が私に向かって歩き出したと思いや、近づくと同時に私の顔に向けてピンピンに開いた手が振りかかった。
もう、だめだ、当たる。
目をぎゅっとつむった。
パシッ
その時だった。
「なっ……!!」
私を叩こうとした女子は、私の目の前で驚いた顔をしている。
「お前、智花になにしようとしたんだよ」
あぁ、あなたは私のヒーローだね。
いつだって、なにしたって、優しいからーーーーーーー。
「………………颯斗」
「智花わるい。
これは本当に俺が悪い。
嫌な思いさせてごめん。」
颯斗、颯斗、颯斗………。
口には出来ない想いを、何度も何度も心の中で思った。