「ぶっちゃけさー、智花は颯斗くんのこと好きでしょ?」
「あ、それ思ってた。」
「だよね。
多分、花奏がいる颯斗くんが欲しくてたまんないんでしょー!」
放課後、忘れ物をした私は教室に向かっていた。
ついたと思って扉に手をかけようとしたとき、聞こえてしまった。
図星すぎて、何も言えない。
この扉をあけて、大声で怒鳴ることだってできない。
更に、今話している3人はクラスでもギャル系の子たち。
話せないってわけじゃないけど、話しにくい。
………いや違う。
私が、怯えてるだけだ。
「でも、颯斗くんも意外とたらしなんじゃなーい??」
「花奏がいるとしても、智花とも仲良くするもんねぇ。」
「ありゃもう別れるな、ぎゃはは!!」
教室には3人しかいないのか、3人の笑い声が教室内に響く。
ーーーーーー颯斗が、たらし?
なわけ、ないでしょ。
気がつけば
扉を勢いよく開けて、
怒鳴っていた。