それは、3年前ぐらいに遡るーーーー。
_______________
「颯斗、プリントある?
今日までだけど…。」
「あ、智花ごめんな。
まだ決まってないんだ、担任にも言っておいてくんね?」
「ん。わかった。」
中2の冬真っ盛りのころ。
もうすぐバレンタインっていう時に、私たちの中学は早めに、進路調査を行うことになっている。
私はクラスの代表だったため、みんなの進路調査のプリントを集める係になっていた。
「おぅ。ホントわりぃな!」
申し訳なさそうな顔をして、私から離れ男子の軍団へと入っていく。
だいたいこの時期は、みんな進路が決まってるんだけど…。
颯斗はまだ、決まってないらしい。
なにかとなにかで、悩んでるのかな。
まぁでも、こんな詳しいこと、彼女でもないし聞けるわけない。
「失礼しまーす。」
色々考えながらも、プリントを渡しに職員室に来た。
「これ、クラス分です。」
「おう、板坂さんきゅーな。」
"板坂"
は、私の苗字。
「いえ。
あ、それと……
杉瀬さんは、まだ決まってないと言っていました。」
「杉瀬のやろー……。
そうかありがとな。
全く……。
また変なこと言い出さないだろうな…?」
先生が不意に言った言葉にひっかかる。
変なこと…?
前、変なことでも言ってたの…?
「あの…先生……。」
気づけば、私は先生に聞いていた。