**智花side**
「私、もう颯斗のこと諦めようかなって思ってるの。」
風華を追いかけて、屋上に来た。
すると風華が、『ちょっと聞いてくれる?』と言うので、聞くことにした。
って、え!?
意味わかんね。
「なんで?
まだ颯斗のこと好きなんでしょ?」
「好きだよ……でも、颯斗には可愛い彼女がいるし。
だからこれ以上好きになんてなれないよ。」
「でも、彼女がいるからって、ずっと好きでいるってことがだめってルールはないんじゃない?」
「そう、なんだけどね……。
でも、颯斗と話せば優しくされちゃう。
だからもっともっと好きになってしまうよ。
もう、今口から"好き"って零れそうなの。」
ーーーーーー風華の本音を、初めて聞いた気がした。
こんな颯斗のことが好きなんて、初めて知った。
だって、こんなこと、風華から聞いたことなかったから。
風華が、言ってくれなかったから。
私、待ってるしかなかったから…。
「それなら……
気持ちを伝えずにいたら、ただ後悔するだけだよ!?」
私、どんな声の大きさで言った?
気がつけば、大声で風華に向かって怒鳴っていた。
「とも…か……」
「風華っていっつもそう!!!
それがいいとこでもあるけど、いつも風華は遠慮して!!!
彼女がいるからなに!?
彼女がいたって、颯斗に気持ち伝えればいいじゃん!
颯斗と彼女に悪いからって思ってるかもしれないけど、ただ、風華は、
逃げてるだけだよ!?
それでもいいの!?」