**風華side**



颯斗から、彼女の話を初めて聞いた。

まぁ、自分から言ったことなんだけどさぁ…。



「ってゆーことです!

こんなんで、いい?」


幸せそうな顔しちゃって。
なんなのよ、もう。



「うん、ありがと。


ホントらぶらぶなんだね。」


それは、話を聞いているだけでわかる。
話してる時、超幸せそうで。



「ってか、颯斗の彼女、"葉山花奏"っていうんだね。

かなでって、可愛い名前!」


"花奏"


それは本当に、可愛い名前だった。




「ははっ、だろ?

顔も性格も可愛いんだぜ。」


ーーーチクン。
痛い。


痛いよ。



「はいはい、ノロケはおしまい。」


「えー、見せてやるよ!」


「いいから〜、話聞くだけでいいしー。」



…強がってるだけだよ、ただ。


聞くのが、見るのが、怖いんだよ。




だって、本当に可愛いんだなって、わかるよ………。