…でも今は、お兄ちゃんのこともあるし下手な事して相手に金払うような事あったら嫌だから。
絶対にうちは出ない…絶対に……
そう決めていたのに…

「おるぁぁ‼︎‼︎鳥山ゆり‼︎‼︎出てこいよ‼︎」

ガラスが割れるんじゃないかってくらいスピーカーを使って声を出すあいつら。

やっぱり狙いはうちかよ……。

「はっ?どういうこと!?ゆり!」

「う…んと、知らないよ!あんなやつら!」

「聞こえてんだろ‼︎‼︎うちを忘れたとは言わせねーぞ‼︎‼︎」
あ゛~‼︎
どうしよ…。
でもお兄ちゃんを守るため。
絶対に行かない。

「出て来ね~とお前の大事な兄貴ぶっとばすぞ‼︎」

…いまなんつった?
うちの中で"ブチん"と何かがきれた。

___バッ。
カーテンを開けて窓を全開に開ける。

なにごと!?
ゆりがなにかしたの!?
みんなからの声は無視して
窓に身を乗り出す。
「ざけんじゃねえぞ‼︎‼︎てめえら‼︎」
窓から飛び降りる。
ここは二階だから痛くないことは知ってる。