「この学校に伝わる怪談知ってる?」


幼馴染の佐藤ななが不安そうに聞く。


「知ってる。あれでしょ?ほんとうの好きな人に告白するとその日の夜12時に死んじゃうっていう。」

うちは髪をいじりながら話す。


「そ、そうそう。ゆりは信じてる?」

うちの名前は鳥山ゆり。

高校二年生。

「信じてるわけないじゃん。」

…そんなの。あるわけない。非現実的なんだよ。

「だよね〜。ていうか、今日図書館行きたいんだけど…ゆり来てくれる?」

うちとななは吹奏楽部に入っている。

でも、今日は休み。

だから暇。

「いいよ、どうせ暇だったし」
うちがそう答えるとななはニコッとしてありがとうと言ってあたしから離れて行った。



ーーキーンコーンカーンコーン。

「はーいさよならー。」

下校のチャイムがなるとななはうちのところに駆け寄ってくる。

「いこ!ゆり。」


「うん」


図書館につき、ななが本を探してる時だった。

「…っぐ。好きです。」
泣きながら告白してる人の声を聞いた。


誰だろう?うちは声のする方へ歩み寄った。

ちらっとそこを覗くと先輩だった。顔も名前も知らない。でも、リボンが青だったから3年生だとすぐわかる。

「ばか…。おれもいくよ。一緒に。好きだよ?」

2人はふふっと笑うとそっとキスをした。


うちは恥ずかしくなってそこにいても立ってもいられなくてななのほうに走ったいった。


「なな?探してたの、見つかった?」


「あ、うん!借りてくる」