ずっと休み続きだから、さすがの蘭子も少し元気なさげ。


うん、可哀想だ。


教室で細々と小さくなって小説を読んでる蘭子を後ろから、ガバッと抱きしめた。


「蘭子〜!!元気か〜!コラー!」

「ちょっ、バ、バカ…!痛いっ、離せ!」

「なんでそんな落ち込んでんだ〜。ほんとに楽しいことも全部どっか行っちゃうぞ?」

「落ち込んでない……。心配ありがと」



照れた笑顔にほっと俺が一安心。


蘭子の頭を撫でて、俺は教室を出た。


早くありすちゃん来るといいな。


そしたら、蘭子も元気になって笑顔見せてくれるだろうし。



教室に戻ると舞と大地が話してた。


まぁ、銀のことだろ。


「珍しいよねぇー。銀たんが遅刻でしょっ?そんなことあるんだぁ」

「なーっ!今日大雪降ったりして!」

「やめてよ〜!寒いの嫌いだもん!でも本当に遅刻かな?」

「なんで?銀たんだって人間だし、寝坊ぐらいするだろ〜」


真面目な顔した舞が悩みながら言った。


「女のカンってヤツ?だって、銀たん遅刻することそうそうないし〜」


舞の変なカンって当たったりする。