高時給でつい目に入ったのは夜の仕事。
マズイな……諒哉にどう説明しよう。
「なんかあったの?俺に話せる?」
「これは……ごめん。諒哉にも話せない事情だから」
「少しもダメ?話せないか」
「…うん。無理」
言わないってありすと約束したし。
相手がいくら信頼してる諒哉でも、約束は破れないって。
「そっか」と諒哉が切なく笑って求人誌をもう一度めくった。
ごめん………諒哉。
「別に夜働かなくてもさ、あるだろ他に。自分の彼女が他の男に触れんのって嫌な気分」
「他探すから。返して」
「ん、まぁ……何かしら理由あるんだろうけど無理すんなよ?いつでも俺を頼って!」
「助かる。ありがとう」
「あっ!俺、担任に呼ばれてるんだった〜!またな」
そう言う諒哉に手を振って、あたしは折ってたページを開く。
ありすのためなら……別に苦じゃない。
心から笑って幸せなありすが見たいから。