独特の薬品の匂いがして真っ白な室内。
傷だらけヤンキー3人集を連れて来たのは保健室。
保健の先生は会議中か……。
やるしかない。
「一番最初。誰がいい?」
「へっ……いや、お返しっても俺らそんなこと求めてねぇよ!?」
「変な勘違いすんな赤髪。じゃ、アンタから座って」
消毒液に絆創膏、それから包帯。
傷のある場所をとにかく手当て。
多分、今のあたしに出来るのはこれが精一杯。
「ありがと~♪蘭子ちゃん!……諒哉、俺も好きになりそう」
「ふざけんな!大地でも許さねぇ!」
「嘘だっつーの!ありがとな、蘭子ちゃん。俺は鬼田大地、よろしくっ」
「ん、よろしく」
鬼田くん……女子の噂で聞いたことある。
イケメンって、桜井諒哉の次に名が高い。
あたしはチャラいとかしか思わないけど……
絆創膏だらけの顔をくしゃくしゃして、大きく笑った。
「はい、次」
「俺はいいって。別に手当てするほどじゃない」
「いいからいっとけ!銀たん!」