接点もないあたしを自分を傷だらけにして助けるなんて………


有り得ないし。



「なんで助けに来たの?ボロボロになってまで、さ……」

「理由とか必要?俺は友達からの電話で探し回って助けただけ」

「あたしを助けても何も特しないのに?」

「するってば。ちょっとは、蘭子ちゃんのためになれたんだもん!」


ケンカして、傷だらけで、金髪で、ピアスで、ヤンキーのくせに。


擦れてない素直な笑顔。



「つーか、アンタ。礼ぐらい言ったら?」

「あー!ちょっと銀たん!今、いいとこなのに当たり強い~!」

「大地。お前まで女に騙されんな」

「ごめんね蘭子ちゃん!無愛想で性悪だけど、いいヤツなんだ!」

「黙れ。大地」


妙に馴れ馴れしい赤髪。


桜井諒哉ほどじゃないけど、傷してる……。


黒髪だってそう。



あたし一人のために、負わせなくていい傷を負わせて自分勝手。


「3人とも……着いて来て」



借りは返すのが筋ってモンでしょ?