黒髪金メッシュに連れて来られたのは、あたしのクラス。


「いいか?ここで、大人しくしてろ。動くなよ」

「無理。あたしのせいで、人に迷惑かけたんだから責任取る」

「……これ以上諒哉に迷惑かける気か?」

「それは………分かった。動かない」


納得したように頷いて、すぐに走って行ってしまった。


あの人よく分かんないけど………


桜井諒哉を信頼してて、かなり仲間意識強いことは伝わってきたし。



何も出来ない自分の無力さが腹立つ。



しばらくすると、廊下に響く笑い声。


桜井諒哉の声に違いない………。


「蘭子ちゃーん!大丈夫?アイツらに何もされてない?」

「あ……あ、うん。大丈夫……。って、アンタ……傷だらけ……」

「ははっ!想定内!ほんっと、蘭子ちゃんが無事でよかったぁ~………」


ベタンと体の力が抜けた感じで桜井諒哉は床に座る。


人のために、どうしてここまで全力になれんの?


バカみたい………。