ぎゅっと目を瞑ると、教室のドアがいきなり揺れた。


それも、ものすごい音とともに。


ドンドンドン!!


勢いよく倒れたドアの向こうには、桜井諒哉とあと二人の男。



来てくれた………。



「へぇ~………男多人数で、弱い女の子相手に何してんの?」


桜井諒哉の口調が……キレてるし、いつもの笑顔がない。


正直、恐い。


「てめぇに関係ねぇだろ。1年のくせに生意気なんだよ!」

「うるせーよ。負けたからって腹いせか?最悪だな」

「ちっ……お前ら!!コイツらボコボコにしろ!」

「大地は俺に手ぇ貸せ!銀は蘭子ちゃんのこと頼んだ!」



もしかして……殴り合いしてる!?


あたしのせいで?


どうしよ……今相当パニック。


「ボケッとしてるな。ついて来い」

「え?」

「……だから女は大嫌いなんだ」



黒髪金メッシュの男が、あたしの腕を引っ張って走り出した。


桜井諒哉ともう一人は大丈夫なの?


今のあたしって不安だらけ。