大家族か………。


見えない将来について考えるのも悪くないかもね。



亜夕がスヤスヤ寝息を立てたのを確認して、諒哉の背中を見詰めて目を閉じた。


疲れたけど、楽しかった……。


「……蘭子」

「んー?まだ起きてたの?」

「あのさ、ぎゅってして寝たい」

「は?」

「こうゆうこと……」


寝返りをうち、正面からあたしを抱き寄せた。


同じシャンプーの匂いが鼻を掠めて、無性にドキドキするな……。


「蘭子……ほんと好き」

「ありがと」

「すっぴんも可愛すぎだし、どうしてくれんの?亜夕いなかったら絶対襲ってたわ…」

「襲ったら殺す」

「すんません」



どうしよ………。


こんなに距離近かったら、緊張し過ぎて寝れないんだけど。


諒哉が近い………。


「…大丈夫。俺もめちゃくちゃ緊張してる」

「あ……」


ほんとだ。


胸にピタッとくっついて聞こえた、早い鼓動。


なんか照れるし……。