「千夏ー、よかったじゃん。また顔にやけてるしー」

由紀が言うには、私は顔にすぐ出るらしい。

今も嬉しい顔が隠されることなく表情に出てたみたい。


私はそんなことないよなんて言いながら、嬉しさを噛み締めた。





体育館に着くとほとんどの生徒は座って話をしてた。

空気は窓を開けたにも関わらず、風が入らず暑さが充満していた。



私と由紀は賢太が座ってる後ろの方へ座った。

賢太の姿を後ろから見れるように。

私たちの後ろにはちょっとチャラチャラしたような男子生徒が数人座っているだけで、他は私たちの前に座っている。



集会があるといつも思う。

後ろから見る生徒たちはとても輝いてみえるんだ。

中には悩みを抱えている生徒も、何かで喜びを得て元気で生活している。

みんな、青春を体から‥心からしているみたい。

恋をしてる人は特に強く輝いていた。

好きな人に気に入られようと必死にアピールしている。

その中に私もいる。

私はみんなみたいに輝いてないかもしれない。

でも、賢太を好きな気持ちは誰にも負けない自信だけはある。





私は開けられた風の入らない窓の外を見た。

木には小鳥がとまり私を見たような気がした。