HRの長い担任の話も終わり、周りの生徒は今日から衣替えでブラウス姿になったせいか、妙にそわそわしてる。


特に女子はブラウスから下着が透けるのが嫌みたい。


やだーとか最悪とか女子の間では言ってるけど、私は夏の制服の方が好きだな。

私の好きな人も夏の制服はよく似合ってるし。


私は窓の外にやっていた目線を教室にやり、また戻した。


今日の空は少し雲があるけど、私の中では合格点だな。

なんて勝手に評価をするのが私の日課。





「千夏ーおはよー。今日も眠いよー」

眠い目を擦りながら軽くあくびをして話しかけるのは、今井由紀。

高二で席が隣になった事がきっかけで仲良くなった由紀。

高三になってから志望校に合格するために勉強を始めたらしい。

夜遅くまで勉強してるせいか、最近痩せたような気がする。

私にはいつもの元気な姿を見せるけど、辛かったら相談して欲しいな。

由紀は私の前の席のイスに座り私の顔をにやけながら見た。


「え?何??」

私は突然顔を覗かれたことに驚いた。


「千夏‥あと一ヶ月後だね、賢太君に告白するの。忘れてないよね!?」


「あぁー‥忘れてないよ。大丈夫だって、ちゃんとするから」

私は気の抜けた返事をした。