中山が俺を見ていた。
そして、口を開く。
「戸崎さん、もちろんFのことも尊敬していますよ。
でも、それだけじゃない。
馬鹿でお調子者で、だけど仕事には真面目でまっすぐ。
そんなあなたを先輩として尊敬しています」
「あれ?中山、どうしたの?」
中山、お酒飲み過ぎだよ。
酔って変なこと口走ってる!
俺は大声で笑っていた。
何だか気分がよくて、楽しくて。
酔っ払いの戯言でも、そんなことを言ってもらえて。
なおさら仕事も頑張らなきゃと思うよ!
「戸崎さん、笑わないでくださいよ。
もう二度と言いませんからね」
怒る中山。
俺はなおも笑いながら頷いていた。
ありがとう。
Fの碧だけじゃない。
馬鹿で真面目な戸崎を慕ってくれて、本当にありがとう!
俺は……
こんな後輩たちと働くことが出来て、本当に嬉しいよ。