「遠藤様、ありがとうございます!」
俺は優弥に頭を下げていた。
優弥は
「ちっ、仕方ねぇな」
と言いながらも上機嫌。
やっとスタジオの案も気に入ってもらえて、大仕事も一つ終わったのだ。
北野さんが嬉しそうに手を叩く。
俺はそんな北野さんにガッツポーズをした。
「それより蒼、昨日夏フェスの説明会に行ったんだけど……」
こんなところで余計な話をする優弥。
俺はちらっと北野さんを見て、
「あー、それなら夜聞くよ!」
と優弥を部屋から押し出そうとする。
例外なく北野さんは目を輝かせていて。
これ以上、職場の人に、碧について考えさせたくない。
だが、優弥は困った顔をしていた。