そんな時、思わぬ会話が飛び込んできた。
「戸崎さん、ライブ誘ったら来なかったんですよ?
用事があるって言って。
キングお勧めなのに!
やっぱり戸崎さんといえ、妻帯者ですよね?」
「中山、戸崎さん誘うのはないだろ。
きっと下々のライブには興味ないよ」
「でも、俺のライブ見にきてくれた!」
「中山だからだろ!!」
そう言われると、中山と呼ばれた男性は顔を真っ赤にして黙った。
心底戸崎さんに惚れているのだ。
そしてその戸崎さん……
蒼でないことを祈るばかり。
だけど、聞けば聞くほど、戸崎さんは蒼としか思えなくなってくる。