「蒼は茶色でしょ?」
そう言う慎吾に、
「俺は青色だよ。
だって碧だもん!」
舌を出してやる。
赤色のTシャツを手にした優弥が、
「マジでゴキブリかよ……」
顔を歪めていた。
こんな優弥も、実はノリノリ。
ノリノリのふりをしないだけ。
俺はそう思っている。
どんな形であれ、メンバーと舞台に立てるのは嬉しい。
そして楽しい。
……そう。
俺たち『ふとももフェチ』はもうすぐ初舞台を迎える。
優弥との約束。
Fの活動を再開してもいい。
だけど、覆面グループも作ること。
FのCDに隠しトラックとして載せてもいいと。
もちろん優弥は難色を現した。
だけど、
「仕方ねぇ。
お前らが馬鹿なことは、もう有名だ」
最後はそうやって折れてくれた。
そこまでして、優弥はFを続けたかった。
何だか嬉しい。