「戸崎は真面目だな」




課長はそう言って俺を見て笑う。

満足そうな笑みだった。




「遠藤さんのことが本当に好きなんだろう。

彼が来た時の君の喜び様は、犬みたいだ」



「じょ……冗談じゃないです!!

あんなおっさん……」




俺はそう言って横を向く。

そして吹き出していた。




「……すごく好きです。

遠藤は、いつも駄目な僕を助けてくれます」




そして、今回も思わぬ方法で助けてくれた。

優弥のスタジオを完成させたとき、俺はまたステップを一段上がる。

そう思うんだ。

仕事も、プライベートも、Fだって。

俺は常に全力。

常に上を目指している。