俺はとうとうデスクに伏せていた。
久しぶりのオールは身体に来る。
しかもあの人たち、俺の家で大暴れして……
俺ももう若くないと実感する。
「戸崎、大丈夫か」
心配してくれる北野さんに、
「はい、何とか……」
重い身体を上げて返事をする。
「昨日悪友と飲んでからの、
家に来て二次会からの、
顔面ケーキからの、
最後はパイ投げです」
「顔面ケーキにパイ投げ……」
北野さんは俺を見て固まっていた。
「家がめちゃくちゃ……」
本当に悲惨だった。
マジで泣ける程。
朝まで二人で片付けをした。
……唯ちゃんに申し訳ない。
「戸崎さん、気の毒です」
後ろの席の後輩も心配してくれる。
「戸崎の友達、本当にすごいな……」
あきれる北野さん。
そして、時計を確認する俺。
「やばい……鬼が来ますよ!」
俺はそう言ってオフィスを飛び出していた。
やばい!
優弥が来る!!
優弥が来るだけでオフィスは大混乱だ。
みんな顔を真っ赤にして優弥を見るし、中山は泣くし!
俺の今日の課題は、いかにバレずして優弥を会議室まで連行するかだった。