「でもびっくりしたよね。
賢一がケーキ持ってくるから」
そうそう。
あれには俺もびっくりした。
そして嬉しかったよ。
仲間っていいなぁってしみじみ思った。
「蒼が顔面ケーキとか言い出さないかハラハラしたよ」
唯ちゃんが笑っている。
よく知ってるじゃん、唯ちゃんは。
俺、本当は顔面ケーキしたくてウズウズした。
俺はそんな唯ちゃんをぎゅっと抱き寄せ、
「さすがだね」
そう言って頬に唇を付けた。
途端に真っ赤になる唯ちゃん。
可愛い。
大好き。
「だめだよ、蒼!
蒼、酔ってると……」
そう。
酔ってると、すぐに唯ちゃんに甘えてしまう。
おうちモード全開だ。
「うぜー」
賢一が顔を歪める。
「マジで顔面ケーキしてやりたい……」
慎吾がメニューのケーキの欄を見ている。
まずい。
これじゃ、本当に顔面ケーキされるよ。