そして……
「かんぱーい!!」
とある居酒屋に、俺たちの声が響き渡った。
色々と仕事が忙しい俺たち。
都合が合わなくて、今日がFの打ち上げだ。
喉を流れるビールが身体を熱くして、疲労を洗い流す。
優弥も、慎吾も賢一も、そして唯ちゃんも笑っていた。
「それにしてもお前ら、ブランクの中でよく頑張ったな」
珍しく優弥が褒めてくれる。
「細かい点は抜きにして、まだまだ現役でいけるステージだった」
「でしょでしょ!?
天才蒼様と呼びな!」
得意げに言う俺。
そして、
「調子こくな、ガキ」
いつもの優弥の毒舌。
それにしても、27歳になってまでガキ呼ばわり。
俺は一生このポジションから脱出出来ないのかもしれない。